【リノベーション物件の室内木部塗装】
リノベーション物件の内部塗装のご紹介です。
この物件では室内のフルリフォームを行っておりますが、構造上どうしても撤去出来ない柱が
むき出しのなるので、新しい柱に交換してから塗装するということになりました。
【まずは、お打ち合わせ】
特に木部塗装は塗料の選定や塗装の仕方によって色合いや雰囲気がガラリと変わります。
また木材の材質(杉、檜、集成材等)によっても色合いやステイン塗料の染み込みやすさなどが
違いますので、お客さまのご要望を事前に伺い、サンプルを作成して入念に打合せを行います。
【サンプルの作成】
⇧ 上の写真の左側は水性ステイン(ポアーステイン)と水性クリヤー(アクレックス木部用ウレタンクリヤー)の
組み合わせで塗り重ね回数によって濃淡を分けています。また、仕上げ用クリヤーは艶有~つや消しが選べます。
ちなみに写真のものは半艶です。
こちらの水性塗料の組み合わせは臭気がほとんどなく、環境にやさしい材料です。
そして、仕上がりは手触りが良く、汚れに強い強固な塗膜が特徴ですが、必然的に作業手間がかかる工法です。
⇧ 写真右側は防虫防腐オイルステイン(キシラデコール)でのサンプルです。
より艶を抑えた仕上がりで、やはり塗り重ね回数や拭き上げの仕方によって木目の出し方を調整します。
ただし、油性塗料ですので塗装直後は若干の溶剤臭が残り、強く擦ると色移りするなどのデメリットもありますが、
後々の補修塗装が用意に行えるのも特徴です。
【実作業】
今回H様邸では水性ステインと水性クリヤー(つや消し)の組み合わせで塗装を行いました。
施工前の柱は集成材を使用しました。まずは、サンドペーパーで下地処理。
そして、1回目の水性ステイン塗装。乾くとさらに薄くなります。
2回目の水性ステイン塗装。だんだん濃くなってきました。
さらに3回目。お客様は濃い黒がご希望でしたので塗り重ねます。
充分に乾いてからクリヤー塗装を合計3回塗りしました。
クリヤー塗装の工程でもサンドペーパーによる研磨作業があり、手間と時間のかかる作業になりました。
こちらは玄関の踏板の塗装の様子。
腰掛や棚板も一度分解してもらってから塗装しました。
これらの塗装は既存のフローリングに色合いを合わせて欲しいとの事でしたので、フローリングのサンプルと
造作物の端材を頂いて、何度も何度も調色と塗装を繰り替えして配合を決定しました。
【最後に】
今回の塗装物は天然の木材ですので、どうしてもステイン塗料が染み込まない箇所もあり、木目として残ります。
ある程度の木目を残して「木」本来の質感を生かした塗装をしました。
もしも、木目を消して真っ黒にしたいのであればウレタンのカラー塗装をお奨めします。
内部、外部に合った塗装仕様がありますので、相談下さい。